勝手に凍ってろ。
そんな憎々しいことを考えながら、無言でまた彼女の寝顔に視線を向ける。
治療を終え、高熱が出てきてしまった彼女を看病しながら寄り添っていると、いつのまにか夜が明けていた。
朝日が差し込む和室で横たわる彼女は、高熱で息苦しいのか小さな口から一生懸命に荒く呼吸をしている。
不謹慎にもその色香に体の奥が疼いて、何度この手を出しては引っ込めていることか。
「いたっ…」
俺の頭を引っ叩いたあやめさんをジロリと見ると、呆れたような顔を思いっきりされた。
「まったく…貴方がそんな風になるなんて思いもしなかったわ」
それは自分でも思っていたことだった。
まさか、自分がこんなにも1人の女の子に執着する日がくるなんて思いもしない。
もうレイちゃん以外は、女と思えなかった。



