それにわざわざ俺を挨拶に行かせるってことは、これからその店と長い付き合いがしたいという組長とあやめさんの考えなのかもしれない。 どう足掻いたって行かなきゃいけないみたいだからさっさと行って終わらせたほうが早いか… 俺は大して口をつけなかった短くなった煙草を携帯灰皿に押し付けると、足早に車に向かった。 後ろに乗り込むと運転席に座った千田に、ふと、思い出したかのように尋ねた。 「ねぇ、若は?」