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『ルカさんのこと、馬鹿にしないで下さい。』
『ルカさんのことは誰が守ってくれるんですか?』
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俺のことを庇ってくれた真っ直ぐな言葉。
純粋で何も計算されていない真っ直ぐな問い掛け。
あの日から、何度この言葉を脳内で再生させただろう。
まさか彼女が俺のことを庇ってくれるなんて思わなかった。
女神が味方してくれたような高揚感を得て、俺のことを考えてくれたんだと思うと堪らなく嬉しかった。
俺だけを真っ直ぐに見て、俺だけを気にかけてくれた言葉を聞いたとき、柄にもなく無性に泣きたくなった。
会ったときからずっと俺自身を見てくれる彼女に、底なし沼に落ちたかのようにずぶずぶと溺れていく。
甘い息苦しさを感じながら、いつまで理性を保っていられるのかがここ最近の俺の悩みになっていた。
こんなにも彼女のことで悶えてるのに、これで彼女にもしものことがあったら、俺はどうなってしまうんだろう。



