「なに?じゃあ俺もうやることなくない?千田がその店に注文しに行けばいいんじゃないの?」
早く終わらせてさっさと眠りたい。
そんな思いで、少し強めに捲し立てれば千田は少し言いづらそうになんとも面倒くさいことを言ってきた。
「いえ、それが…姐さんが急な頼みでもあるし、直接その店に挨拶に行ってきてほしいと…もう店側にはアポも取ってるのでそこら辺は御安心を。」
さっきから御安心を。と言ってくる千田に苛々が止まらない。
安心もなにも、何故俺が行かなきゃいけないのか。
千田が行けばいいのに。
そうは思ってもやはり急な頼みを、況してや堅気の店に裏の世界の輩が世話になるには、まず最初に侘びを入れるべきで。
その適任者は俺なのだろうと無理矢理にでも自分で自分を宥めた。



