エンゼルランプ





あまりに一瞬のことで、自分でもよく分からなかった。


目の前には目を見開いて唖然としている彼女がいて、この場はしんと静寂に包まれていた。



…カシャンッ…!


「な、な、な、なにこいつ…っ、」

「…ほ、ほら!マキいこう!早くっ!!」



背後から何かが落ちた音と狼狽えたような声がしてから、バタバタと足音が遠退いていく。




振り向けば赤く濡れたナイフが転がっていて、





……ああ、あんまり深くなかったんだ。






なんて、淡々と頭に浮かんだ。





「…え、な、なに、なんでアンタがここに…」



そんな戸惑った声を拾った瞬間、急激に炎えあがるような激痛が襲ってきて、思わず右肩を押さえて地面に膝をついた。




なにこの時間差…



あまりにも痛すぎて、最早頭が冴えてくる。


額に脂汗が滲むのを感じながらもそっと肩口を見れば真っ赤に染まっていて。


見なければ良かったと、更に痛みが増す中、歯を食いしばった。