詳しいことはよく分からないけれど、
瞬時に理解できるのは女の妬み嫉み。
わざわざ自分から覗きに来たくせに、
私には関係のないことだと、他人となんて深く関わりたくないと、どこまでも非情にそんなことを思いながら地面に視線を落とした。
すっかり辺りは暗くなっていて、街灯の光は薄気味悪く私の足元を照らしている。
早く足を動かさなくちゃ。
そう思うのに、地面にくっついたかのように動かない。
靄がかかったような思考の中、何故か彼のことが浮かんできて。
ルカさんにとって守らなければいけない大切な存在の樋口雅人さん、その樋口さんの大切な婚約者の藤堂さん…
そんなサイクルが自分の頭の中にできて。
きっと、この状況はルカさんにとっても良くない状況なんだと、こんな時にも彼のことに繋げてしまう自分に呆れた。
…それに、一瞬見えた彼女の悔しそうな顔とか、微かに震える肩とか。
そんな姿が脳裏に焼き付いて全然離れなくて。
バクバクと嫌な音をたてる心臓を落ち着かせるように静かにひとつ、深呼吸をして冷静に考える。



