「っ…」
ルカさんは、言葉を失ったかのように、ひゅっと息を呑み込んだまま。色を失った瞳を見開いた。
暫くそのまま、ふたりの間にほんの少しの静寂が流れて。そして彼は、私の質問をやっと飲み込んだのか髪の毛をくしゃっと掴み、顔を隠すように頭を抱えてしまった。
もしかして、変なことを聞いてしまったのだろうか。
でも、純粋に疑問に思った。
樋口さんを命懸けで守るのがルカさんなら、ルカさんのことは誰が命懸けで守ってくれるのだろう。
誰が、ルカさんの支えになってくれるのだろう。
「…なんで…、どこまで、君に堕ちればいいの?」
「……え?」
顔をあげたルカさんの瞳は、もう綺麗な光を宿していて、どこか泣きそうな、でも、柔らかく穏やかに微笑んだ。
「大丈夫…下っ端の奴らもいるからね。そんなこと言ってくれたの、レイちゃんが初めてだよ…」



