それからはルカさんの運転で、格式高そうな個室の懐石料理のお店に連れられた。
「(こんなに高級そうな場所来たことない…)」
メニューもよく分からないし、男性と二人っきりなんて初めてで、私にはキャパオーバーだった。
何もかも慣れていないことに戸惑っていると、ルカさんは優しくスマートに先導してくれる。
「レイちゃん、嫌いなものはある?」
もう何回もルカさんに名前を呼んでもらっているのに、未だに全然慣れない。低く心地よいトーンに、吸い寄せられるような感覚になる。
「いえ、特には…」
「じゃー、お任せにしちゃおっか」
ルカさんは、そう言って慣れたように注文してくれた。
随分慣れた様子に不思議に思っていると、このお店は樋口組の所有しているお店なんだと教えてくれた。
こんなに高級そうなお店…財布の中身が心配になっちゃう私にとって、ルカさんは住む世界が全然違う人だと改めて思ってしまった。



