ラベンダーから目を背けるようにロバートさんの碧い瞳を真っ直ぐと見た。
「…ロバートさん、お気をつけて」
今は醜い感情を隠すのにいっぱいいっぱいで、喉からその言葉しか出なかった。
「…ああ、じゃあ、店の戸締りは宜しくね。また明日」
ロバートさんは最後まで躊躇いながら、細道の出口へと敷石を踏みながら去っていった。
その姿が見えなくなるまで暫くぼんやりと店の前で突っ立っていたけれど、直ぐに我に返り自分もさっさと帰ろうと、ひとり店内に戻った。
ロバートさんに言われた通り戸締りをしっかりと確認して店を出る頃には、空は先程よりももっと夕焼けに染まって、辺りはオレンジ色の光に包まれていた。



