秀吉と聞いて古株の爺さんを思い出した。そういえば年甲斐もなく派手に暴れて入院したとか言ってたっけ。
花束を持っていたということは、誰かの見舞いだったのだろうか。
まだまだ彼女の知らないことが沢山ある。
ゆっくりでもいいから彼女の世界を知っていきたい。
「組長が驚くなんて珍しいですね」
興奮気味のあやめさんを受け流しながらも思ったままにぽつりと呟いた。
「驚くどころじゃないわよ、鼻の下伸びてたから思いっきり抓ってやったわ。まぁ、レイちゃんだから納得だけどね」
組長にそんなことができるあやめさんに改めて影の権力者だと実感する。
若に容姿も性格もそっくりな。いや、雅紀さんが父親なんだから若が似たのか。
そんな冷厳な組長もあやめさんも虜になるくらいなんだから、彼女の存在は相当なものなのだろう。
「…ちょっと、何処に行くのよ。まだ話の途中…」
「失礼します。急用を思い出したもので。」



