脳裏に焼き付く彼女の姿に酔いしれていると、夜風にのって人の気配がした。
「あら、こんな所にいたのね。探したのよ」
声につられて目を開けると、淡い紫色の着物を着こなしたあやめさんが立っていた。
「…あやめさん、どうされました?」
ゆったりと問い掛ければ呆れたような顔をされた。
「どうしたもこうしたもないわよ!さっき花の配達のお礼をしようとロバートさんに電話したら、レイちゃんが持って来てくれたって!?なんで教えてくれなかったのよ!!」
一見、大和撫子を思わせるおしとやかな外見からは想像もつかない凄みに圧倒され、熱に浮かされたような余韻から一気に引き戻された。



