「ルカさん!ご苦労さんです!」
「お疲れ様です!」
「おかえりなさい!」
和風庭園をゆらゆらと歩いていると、野太いドスの効いた声が飛び交う。
その声に適当に手を挙げて応えると、数時間ぶりの姿を見かけた。
「千田、どうしたの?そんな忙しなく」
昼間見たときよりもスキンヘッドは輝きを増してるのではないだろうか。
そんなくだらない事を眠さでうつらうつらしている意識の中考えていると、千田はちょうど良いところに来たとでもいうように、俺に瞬足で近寄ってきた。
「え、なに。ちょっと怖いからやめてよ…」
強面の千田が目をキラキラと輝かせて勢いよくくるものだから、思わず顔を思いっきり痙攣らせて引いてしまった。声なんてかけなきゃ良かった…そう思わずにはいられない。
「ルカさん!ご相談がありまして!お願いしやす!どうか聞いてください!!」
「…一旦、離れようか?」
物凄い勢いの千田に圧倒され、掴まれていた肩の上の手をやんわりと離した。
嫌な予感しかしない。
物凄く面倒臭そうで、苦笑いが零れた。



