「このあいだ僕が忘れたボールペンを見つけてくれたの暮林さんですよね、ありがとうございます」
とぶつけてみる。
半分ハッタリだが当たりだった。
瞳子の目元がほころんだ。
「あ、やっぱり片岡さんのものだったんですね。片岡さんが座っていた椅子の上にあったのでそうかなと思ったんですけど…よかったです」
やはりそうか、あのノッポ女。さも自分が見つけたかのような顔をして、厚かましいやつだ。
せめて少しはこちらの役に立ってもらおう。
「あの…失礼ですけど、寺島さんはご結婚されてますよね?」
はい、と訝しげに瞳子が返してくる。
「お子さんがいらっしゃるのでしたら、遅い時間に打ち合わせを入れないほうがいいかなと…」
神妙な表情を作ってみせる。
「お子さんはいらっしゃらないので…大丈夫だと、思います」
プライバシーに触れるので瞳子の返事がぎこちなくなった。
寺島を妻にするのはどんな男だろうと、ちらと興味を覚える。
小柄な男かもしれない。自分の身長コンプレックスを長身の妻で埋めたがるパターンはなくもない。
とぶつけてみる。
半分ハッタリだが当たりだった。
瞳子の目元がほころんだ。
「あ、やっぱり片岡さんのものだったんですね。片岡さんが座っていた椅子の上にあったのでそうかなと思ったんですけど…よかったです」
やはりそうか、あのノッポ女。さも自分が見つけたかのような顔をして、厚かましいやつだ。
せめて少しはこちらの役に立ってもらおう。
「あの…失礼ですけど、寺島さんはご結婚されてますよね?」
はい、と訝しげに瞳子が返してくる。
「お子さんがいらっしゃるのでしたら、遅い時間に打ち合わせを入れないほうがいいかなと…」
神妙な表情を作ってみせる。
「お子さんはいらっしゃらないので…大丈夫だと、思います」
プライバシーに触れるので瞳子の返事がぎこちなくなった。
寺島を妻にするのはどんな男だろうと、ちらと興味を覚える。
小柄な男かもしれない。自分の身長コンプレックスを長身の妻で埋めたがるパターンはなくもない。



![he said , she said[1話のみ]](https://www.no-ichigo.jp/img/book-cover/1740766-thumb.jpg?t=20250404023546)