その日の朝は、やはり気に入りのネクタイを選び出した。
GBBコーポレーションは社長の津村の方針で、クライアントに会う際にはスーツが原則だ。
IT企業にありがちな手入れされたヒゲやノータイのカジュアルファッションは「うちにはまだ早い」というのが彼の考えだった。
直弥もそこに異論はない。服装で信用が買えるなら安いものだし、ビジネスの場ではやはりスーツ姿がもっとも映える。
約束の時間の少し前にサカキに着いたが、瞳子はすでに待っていた。
プレーンな濃紺のスーツの上下という格好だが、その色合いが彼女の肌の白さとなめらかさを引き立てている。
スカートはフレアになっており、かっちりしすぎない柔らかな印象だ。脚の形も悪くない。
前回の好印象が目減りすることなく裏打ちされていくと、手ごたえを感じるものだ。
二人だけだからだろう、こぢんまりした応接スペースに通された。距離が近くなるので好都合だ。
瞳子がお茶を出してくれた。
GBBコーポレーションは社長の津村の方針で、クライアントに会う際にはスーツが原則だ。
IT企業にありがちな手入れされたヒゲやノータイのカジュアルファッションは「うちにはまだ早い」というのが彼の考えだった。
直弥もそこに異論はない。服装で信用が買えるなら安いものだし、ビジネスの場ではやはりスーツ姿がもっとも映える。
約束の時間の少し前にサカキに着いたが、瞳子はすでに待っていた。
プレーンな濃紺のスーツの上下という格好だが、その色合いが彼女の肌の白さとなめらかさを引き立てている。
スカートはフレアになっており、かっちりしすぎない柔らかな印象だ。脚の形も悪くない。
前回の好印象が目減りすることなく裏打ちされていくと、手ごたえを感じるものだ。
二人だけだからだろう、こぢんまりした応接スペースに通された。距離が近くなるので好都合だ。
瞳子がお茶を出してくれた。



![he said , she said[1話のみ]](https://www.no-ichigo.jp/img/book-cover/1740766-thumb.jpg?t=20250404023546)