「うん、なかなか良い感じだよ」
「あ、ありがとうございます!」
初めて受ける、羽久・グラスフィアの実技授業。
生徒達は、皆緊張していた。
勿論、僕も。
まぁ、僕は別の意味での緊張だが。
「はい、じゃあ次」
「はい」
僕は、羽久・グラスフィアの前に出た。
杖を握り、魔導人形と対峙する。
よりにもよって、風魔法の実技だなんて。
僕の、二番目に得意な魔法じゃないか。
うっかり本気を出してしまったら、どうしてくれるんだ。
さぁ、手を抜いて。
でも、本気を出している振りをして。
怪しまれないように。
僕は一つ深呼吸して、杖に魔力を込めた。
「dinw」
適度に調節された魔法が、魔導人形に放たれた。
放った瞬間、やり過ぎた、と思った。
おぉ、とクラスメイトから歓声があがる。
ちょっと、力を出し過ぎた。
魔導人形の先っちょの方が、少し剥げてしまった。
やってしまったものは、仕方ない。
僕は動揺している様を見せず、羽久・グラスフィアに向き直った。
彼が何を考えているか、見なくては。
「へぇ…。一年生にしちゃ、なかなかだ」
とのこと。
確かに、先程までのクラスメイトに比べれば、かなり上出来と言えるだろう。
本気を出せば、稽古場にハリケーンを起こせるのだが。
「得意なのか?風魔法」
「はい…。実は」
僕は、照れ笑いを浮かべて答えた。
ここは、偶然得意な魔法が上手く出来た、ってことにしておこう。
風魔法が得意なのは、嘘ではないからな。
それ以上に得意な魔法が、他にあるってだけで。
「一年生でこの出来なら、上々だと思うよ。是非訓練を重ねて、伸ばしていくと良い」
「はい。精進します」
「じゃあ、次の人どうぞ」
僕に対してのコメントは、それだけだった。
特に、何かを疑っている様子はない。
…本当に?
とてもではないが、油断は出来なかった。
口に出さないだけで、腹の中では何かを勘づいていてもおかしくない。
僕はおずおずと、さりげなく稽古場の端に…羽久・グラスフィアが正面に見える場所に、下がった。
「あ、ありがとうございます!」
初めて受ける、羽久・グラスフィアの実技授業。
生徒達は、皆緊張していた。
勿論、僕も。
まぁ、僕は別の意味での緊張だが。
「はい、じゃあ次」
「はい」
僕は、羽久・グラスフィアの前に出た。
杖を握り、魔導人形と対峙する。
よりにもよって、風魔法の実技だなんて。
僕の、二番目に得意な魔法じゃないか。
うっかり本気を出してしまったら、どうしてくれるんだ。
さぁ、手を抜いて。
でも、本気を出している振りをして。
怪しまれないように。
僕は一つ深呼吸して、杖に魔力を込めた。
「dinw」
適度に調節された魔法が、魔導人形に放たれた。
放った瞬間、やり過ぎた、と思った。
おぉ、とクラスメイトから歓声があがる。
ちょっと、力を出し過ぎた。
魔導人形の先っちょの方が、少し剥げてしまった。
やってしまったものは、仕方ない。
僕は動揺している様を見せず、羽久・グラスフィアに向き直った。
彼が何を考えているか、見なくては。
「へぇ…。一年生にしちゃ、なかなかだ」
とのこと。
確かに、先程までのクラスメイトに比べれば、かなり上出来と言えるだろう。
本気を出せば、稽古場にハリケーンを起こせるのだが。
「得意なのか?風魔法」
「はい…。実は」
僕は、照れ笑いを浮かべて答えた。
ここは、偶然得意な魔法が上手く出来た、ってことにしておこう。
風魔法が得意なのは、嘘ではないからな。
それ以上に得意な魔法が、他にあるってだけで。
「一年生でこの出来なら、上々だと思うよ。是非訓練を重ねて、伸ばしていくと良い」
「はい。精進します」
「じゃあ、次の人どうぞ」
僕に対してのコメントは、それだけだった。
特に、何かを疑っている様子はない。
…本当に?
とてもではないが、油断は出来なかった。
口に出さないだけで、腹の中では何かを勘づいていてもおかしくない。
僕はおずおずと、さりげなく稽古場の端に…羽久・グラスフィアが正面に見える場所に、下がった。


