さて、次に向かうは三階第二魔導科学室。
僕は、急いで階段を駆け上がった。
「…っ」
僕は、気配を消して身を潜めた。
魔導科学室とやらも、既に戦闘が始まっていた。
いや、正しくは。
今から、始まろうとしていた。
こちらは、聖魔騎士団から派遣されてきたらしい魔導師が二人。
そして、相手は『アメノミコト』の暗殺者一人。
数としては、こちらが有利だが…。
「やべぇぞルイーシュ…」
聖魔騎士団の魔導師の一人が、冷や汗をかいて呟いた。
暗殺者に怯んだのだろうか。
いざとなれば僕も加勢して、3対1に形勢を…、
「何がですか?」
「何がじゃねぇよ。場所だよ場所!第二魔導科学室!」
「あ、はい。懐かしいですね母校ですし」
ん?
「ちげぇし!こんなところでドンパチやって、中の備品類壊したら、イレースに雷食らう羽目になるぞ!」
あ、建物の心配だったのか。
「成程。そうなると、来月のキュレムさんの給料が消し飛びますね」
「お前は負担する気ないのかよ!」
…何だろう。
先程屋上で感じたものと、同じ気配を感じ始めてきた。
「良いか、被害は最小限に。最小限に抑えて倒すぞ」
「でも難しいですね。俺達の戦闘スタイルだと」
「あぁ。超高難度だ」
彼らの戦闘スタイル…?
常日頃から、二人で組んでいるのだろうか?
だとしたら、下手に僕が加勢したら邪魔になるだけだが。
そのとき。
『アメノミコト』の暗殺者が、先の鋭いクナイを投擲した。
不味い、と思ったときには、僕は動いていた。
あのクナイには、先程の針と同様、強力な毒が塗られている。
爪の先ほども、かすらせてはいけない。
僕の抜いた刀が、クナイを残らず叩き切った。
「…」
「…」
キュレムとルイーシュ、と呼び合っていた二人の魔導師は、たった今死にかけるところだったことも知らず。
突然戦闘に介入してきた僕を、じっと眺め。
「…これ、敵ですかね?」
「馬鹿。守ってくれたんだから味方だろ」
これ呼ばわりされた。
助けたのに。
「…貴様…裏切っておいてのうのうと…」
『アメノミコト』の暗殺者が、爆発的な殺気を放って僕を睨んだ。
…裏切ったことについては、言い訳のしようもないが。
僕も自分の道を決めたからには、もう後戻りは出来ない。
「…なんか雰囲気的に、俺達帰っても良くないですか?ほら、こう因縁の対決的な…」
「ねぇよ。折角来てくれたんだから、三人で戦えば良いだろ」
よく分からないが、僕は加勢して良いのか。
下手に動けば、二人の連携を崩してしまうことになる。
出来るだけ慎重に、
「よし、ここは綿密に作戦を立てましょう」
気持ちは分かるが、敵の前で作戦を立てるな。
「何だよ作戦って」
「いつも通り戦う。以上」
「雑!ってかそれ、なんも作戦じゃねぇ!」
あと、僕はあなた達の「いつも通りの戦い」が分からないから。
余計に、どう動いたら良いのか分からなくなった。
「あぁもう知らね!イレースに怒られたら備品代折半だからな!」
「大丈夫ですよ。『室内に』被害を出さなければ良いだけでしょう?なら簡単です」
何が?
「で、僕は何をすれば良いの?」
「あなたもいつも通りで良いですよ」
こんなに雑な作戦が、未だかつてあっただろうか。
だが、戦いは既に始まっているのだ。
悠長に話し合っている時間はない。
いつも通りと言われたのだから、いつも通り戦うしかない。
もうどうにでもなれとばかりに、僕は両手に刀を構えた。
僕は、急いで階段を駆け上がった。
「…っ」
僕は、気配を消して身を潜めた。
魔導科学室とやらも、既に戦闘が始まっていた。
いや、正しくは。
今から、始まろうとしていた。
こちらは、聖魔騎士団から派遣されてきたらしい魔導師が二人。
そして、相手は『アメノミコト』の暗殺者一人。
数としては、こちらが有利だが…。
「やべぇぞルイーシュ…」
聖魔騎士団の魔導師の一人が、冷や汗をかいて呟いた。
暗殺者に怯んだのだろうか。
いざとなれば僕も加勢して、3対1に形勢を…、
「何がですか?」
「何がじゃねぇよ。場所だよ場所!第二魔導科学室!」
「あ、はい。懐かしいですね母校ですし」
ん?
「ちげぇし!こんなところでドンパチやって、中の備品類壊したら、イレースに雷食らう羽目になるぞ!」
あ、建物の心配だったのか。
「成程。そうなると、来月のキュレムさんの給料が消し飛びますね」
「お前は負担する気ないのかよ!」
…何だろう。
先程屋上で感じたものと、同じ気配を感じ始めてきた。
「良いか、被害は最小限に。最小限に抑えて倒すぞ」
「でも難しいですね。俺達の戦闘スタイルだと」
「あぁ。超高難度だ」
彼らの戦闘スタイル…?
常日頃から、二人で組んでいるのだろうか?
だとしたら、下手に僕が加勢したら邪魔になるだけだが。
そのとき。
『アメノミコト』の暗殺者が、先の鋭いクナイを投擲した。
不味い、と思ったときには、僕は動いていた。
あのクナイには、先程の針と同様、強力な毒が塗られている。
爪の先ほども、かすらせてはいけない。
僕の抜いた刀が、クナイを残らず叩き切った。
「…」
「…」
キュレムとルイーシュ、と呼び合っていた二人の魔導師は、たった今死にかけるところだったことも知らず。
突然戦闘に介入してきた僕を、じっと眺め。
「…これ、敵ですかね?」
「馬鹿。守ってくれたんだから味方だろ」
これ呼ばわりされた。
助けたのに。
「…貴様…裏切っておいてのうのうと…」
『アメノミコト』の暗殺者が、爆発的な殺気を放って僕を睨んだ。
…裏切ったことについては、言い訳のしようもないが。
僕も自分の道を決めたからには、もう後戻りは出来ない。
「…なんか雰囲気的に、俺達帰っても良くないですか?ほら、こう因縁の対決的な…」
「ねぇよ。折角来てくれたんだから、三人で戦えば良いだろ」
よく分からないが、僕は加勢して良いのか。
下手に動けば、二人の連携を崩してしまうことになる。
出来るだけ慎重に、
「よし、ここは綿密に作戦を立てましょう」
気持ちは分かるが、敵の前で作戦を立てるな。
「何だよ作戦って」
「いつも通り戦う。以上」
「雑!ってかそれ、なんも作戦じゃねぇ!」
あと、僕はあなた達の「いつも通りの戦い」が分からないから。
余計に、どう動いたら良いのか分からなくなった。
「あぁもう知らね!イレースに怒られたら備品代折半だからな!」
「大丈夫ですよ。『室内に』被害を出さなければ良いだけでしょう?なら簡単です」
何が?
「で、僕は何をすれば良いの?」
「あなたもいつも通りで良いですよ」
こんなに雑な作戦が、未だかつてあっただろうか。
だが、戦いは既に始まっているのだ。
悠長に話し合っている時間はない。
いつも通りと言われたのだから、いつも通り戦うしかない。
もうどうにでもなれとばかりに、僕は両手に刀を構えた。


