…一時間後。
「はぁ、助かった…」
ずずず、とお茶を飲みながら、少年はベッドの上で座っていた。
…食堂に行って、おにぎり三つくらい作ってもらって。
お茶と一緒にそれを出したら、物凄い勢いでそれを食べ。
急に元気になった。
本当に、ただ行き倒れてただけなのか。
「助かったよ。もう死ぬかと思った」
「俺も、死んでるのかと思ったよ」
走馬灯見始めてたんだもん。
「ところで、ここは何処?」
自分が何処にいるのか、何処の誰に助けられたのかも分からないのか。
「イーニシュフェルト魔導学院だよ。知ってる?」
「…イーニシュフェルト…魔導学院…」
少年は、しばしぽかーんとして、
「…何で僕、ここにいるんだろう?」
そんなの、こっちが聞きたいわ。
記憶喪失か?あれだけ走馬灯見てたのに?
「君、一体何処から来たの?随分その…えっと、やつれてるみたいだけど」
少年の髪はボサボサで、着ている服も泥や垢にまみれている。
昨日今日浮浪者になりました、って体じゃないぞ。
随分長い間、放浪の旅をしてきたと見える。
「僕がいたのは、えーっと…。何て言ったかな…」
おい、大丈夫か。
「そうだ、北方都市のエクトルってところで」
エクトル?
国境近くの北方都市から、この王都セレーナまで?
「えっと…列車に乗って?」
「徒歩で…」
「徒歩!?」
アトラスじゃあるまいに。
まさか、エクトルから遙々、列車にも乗らず、徒歩で王都までやって来たのか。
そりゃ、こんなにやつれもする。
「途中で竹藪に迷い込んだり…。他人様の畑に入って、追い出されたり…」
「…」
「ヒッチハイクしようと思っても、軒並み断られて…。あっ、でも一回、豚積車に乗せてもらったりして、一緒にぶーぶー鳴いてみたり」
「…」
「王都が近くなって、そろそろかなぁと思ったら、『王都に連れてってあげるよ』って言う人がいたから、ついていったら、危うく外国に売り飛ばされそうになって…」
「…」
「…気がついたら、ここに来てた」
「…」
言うべき言葉が、上手いこと出てこないけど。
これだけは言わせてくれ。
「お前、よく無事に…王都まで辿り着けたな」
「あはは…。運が良かっただけだよ」
本当に運が良かったら、そんな放浪の旅はしないだろ。
「はぁ、助かった…」
ずずず、とお茶を飲みながら、少年はベッドの上で座っていた。
…食堂に行って、おにぎり三つくらい作ってもらって。
お茶と一緒にそれを出したら、物凄い勢いでそれを食べ。
急に元気になった。
本当に、ただ行き倒れてただけなのか。
「助かったよ。もう死ぬかと思った」
「俺も、死んでるのかと思ったよ」
走馬灯見始めてたんだもん。
「ところで、ここは何処?」
自分が何処にいるのか、何処の誰に助けられたのかも分からないのか。
「イーニシュフェルト魔導学院だよ。知ってる?」
「…イーニシュフェルト…魔導学院…」
少年は、しばしぽかーんとして、
「…何で僕、ここにいるんだろう?」
そんなの、こっちが聞きたいわ。
記憶喪失か?あれだけ走馬灯見てたのに?
「君、一体何処から来たの?随分その…えっと、やつれてるみたいだけど」
少年の髪はボサボサで、着ている服も泥や垢にまみれている。
昨日今日浮浪者になりました、って体じゃないぞ。
随分長い間、放浪の旅をしてきたと見える。
「僕がいたのは、えーっと…。何て言ったかな…」
おい、大丈夫か。
「そうだ、北方都市のエクトルってところで」
エクトル?
国境近くの北方都市から、この王都セレーナまで?
「えっと…列車に乗って?」
「徒歩で…」
「徒歩!?」
アトラスじゃあるまいに。
まさか、エクトルから遙々、列車にも乗らず、徒歩で王都までやって来たのか。
そりゃ、こんなにやつれもする。
「途中で竹藪に迷い込んだり…。他人様の畑に入って、追い出されたり…」
「…」
「ヒッチハイクしようと思っても、軒並み断られて…。あっ、でも一回、豚積車に乗せてもらったりして、一緒にぶーぶー鳴いてみたり」
「…」
「王都が近くなって、そろそろかなぁと思ったら、『王都に連れてってあげるよ』って言う人がいたから、ついていったら、危うく外国に売り飛ばされそうになって…」
「…」
「…気がついたら、ここに来てた」
「…」
言うべき言葉が、上手いこと出てこないけど。
これだけは言わせてくれ。
「お前、よく無事に…王都まで辿り着けたな」
「あはは…。運が良かっただけだよ」
本当に運が良かったら、そんな放浪の旅はしないだろ。


