後で聞いたところによると。
事が起きたのは、およそ二時間前。
イーニシュフェルト魔導学院に、とある来客がやって来た。
これは、先程も言った通り、珍しいことではない。
しかし、今回は少々、珍しい来客であった。
普段来客と言えば、聖魔騎士団絡みの関係者か、学院関係者のどちらか。
だが今回の来客は、一般人の主婦であった。
その主婦は、イーニシュフェルト魔導学院に生徒を通わせている保護者。
ようは、生徒の母親である。
生徒の名前は、ユーマ・ウェズライ。
その生徒、ユーマの母親が、学院までやって来たのだ。
しかも、血相を変えて。
まずその母親の対応をしたのは、いつも通り、イレースだった。
「どちら様でしょうか」
「どちら様じゃないわよ!この学費泥棒!」
そのやり取りから、互いの応酬が始まった。「…」
学費泥棒と呼ばれたイレースは、ピキッ、とこめかみに血管を浮き立たせ。
それでも、相手は生徒の保護者。
何とか礼儀正しく接しようと、努力していた。
「何度も言いますが、我が校に落ち度はありません。お宅のお子さんの努力が足りなかっただけです」
「何よ!?うちの子が馬鹿だって言うの!?」
「馬鹿とは言っていません」
そもそも、イーニシュフェルト魔導学院に入学している時点で、馬鹿ではない。
本当に馬鹿なら、入学試験を突破することなど不可能だからな。
しかし。
どんなに優秀な学校でも、成績の良い生徒もいれば、悪い生徒もいる。
とはいえ、イーニシュフに入っているのだから、一般的に見れば、その生徒はとても優秀な魔導師の卵だ。
でも、イーニシュフェルト魔導学院の、校内の基準で考えると…。
…ちょっと、劣ってる生徒も、たまにいる。
それは仕方ない。何処の学校でも同じだ。
上には上がいるし、下にも下がいる。
「うちの子を馬鹿呼ばわりとは、あんた何様よ!何がイーニシュフェルト魔導学院の教師よ。そういうあんたは、何処の学校出身よ!?イーニシュフェルト魔導学院なんでしょうね!?」
「ラミッドフルス魔導学院です」
彼女の古巣の名前を出すと、ユーマ母は鼻で笑った。
「たかがラミッドフルス魔導学院で教師やってた人間が、偉そうに指図するんじゃない!」
言っとくが、イレースは。
元ラミッドフルス魔導学院の教師と言っても、教師の前に「鬼」がつくからな。
その辺の教師とは、訳が違う。
「あんたじゃ話にならない。もっと上の人を呼びなさいよ!」
「呼びました?」
そこに現れたのは、イレースよりもっと上の人…ではなく。
イレースよりもっと…ヤバい人であった。
事が起きたのは、およそ二時間前。
イーニシュフェルト魔導学院に、とある来客がやって来た。
これは、先程も言った通り、珍しいことではない。
しかし、今回は少々、珍しい来客であった。
普段来客と言えば、聖魔騎士団絡みの関係者か、学院関係者のどちらか。
だが今回の来客は、一般人の主婦であった。
その主婦は、イーニシュフェルト魔導学院に生徒を通わせている保護者。
ようは、生徒の母親である。
生徒の名前は、ユーマ・ウェズライ。
その生徒、ユーマの母親が、学院までやって来たのだ。
しかも、血相を変えて。
まずその母親の対応をしたのは、いつも通り、イレースだった。
「どちら様でしょうか」
「どちら様じゃないわよ!この学費泥棒!」
そのやり取りから、互いの応酬が始まった。「…」
学費泥棒と呼ばれたイレースは、ピキッ、とこめかみに血管を浮き立たせ。
それでも、相手は生徒の保護者。
何とか礼儀正しく接しようと、努力していた。
「何度も言いますが、我が校に落ち度はありません。お宅のお子さんの努力が足りなかっただけです」
「何よ!?うちの子が馬鹿だって言うの!?」
「馬鹿とは言っていません」
そもそも、イーニシュフェルト魔導学院に入学している時点で、馬鹿ではない。
本当に馬鹿なら、入学試験を突破することなど不可能だからな。
しかし。
どんなに優秀な学校でも、成績の良い生徒もいれば、悪い生徒もいる。
とはいえ、イーニシュフに入っているのだから、一般的に見れば、その生徒はとても優秀な魔導師の卵だ。
でも、イーニシュフェルト魔導学院の、校内の基準で考えると…。
…ちょっと、劣ってる生徒も、たまにいる。
それは仕方ない。何処の学校でも同じだ。
上には上がいるし、下にも下がいる。
「うちの子を馬鹿呼ばわりとは、あんた何様よ!何がイーニシュフェルト魔導学院の教師よ。そういうあんたは、何処の学校出身よ!?イーニシュフェルト魔導学院なんでしょうね!?」
「ラミッドフルス魔導学院です」
彼女の古巣の名前を出すと、ユーマ母は鼻で笑った。
「たかがラミッドフルス魔導学院で教師やってた人間が、偉そうに指図するんじゃない!」
言っとくが、イレースは。
元ラミッドフルス魔導学院の教師と言っても、教師の前に「鬼」がつくからな。
その辺の教師とは、訳が違う。
「あんたじゃ話にならない。もっと上の人を呼びなさいよ!」
「呼びました?」
そこに現れたのは、イレースよりもっと上の人…ではなく。
イレースよりもっと…ヤバい人であった。


