偽りの世界


「それから私は
窓から見えるようになった。
母が見えなかった。
もう1つの世界が」

「・・・でもさ。
それは俺にも見えたぞ??」

「うん。
そうなんだよ。
そこがよく分からないの」

「ん?」

「母はもしかしたら
今私たちが見てる世界とは
また違った世界が見たかったのかもって」


「なんだそれ」

杉山は

目を瞑りながら

首をかしげる。

そんなイメ-ジが出来た。

「母は何を思って
その世界を見つめたのか。
私とはまた違うことなんだろうけど」

「・・・でもさ。
俺は別に、お前やお前の母さんが
望んでるような世界を見たくて
こういうことしたわけじゃないぜ??」

「知ってるよ。
私がやってみてって言ったんだもん」