一ノ瀬さん家の家庭事情。®️

そして通りかかった、あたしが浅岡君に告白をしたあの思い出の公園。

そのベンチに一人座り込む影が。

あれは!

「直君!」

あたしが声をかけると顔を上げた。

「…またあんたか…」

そ、そうやって言われてもめげない!

ここで折れたら、だめなんだから!

「直君、もう遅いから、一緒に帰ろう?」

「…なんで?あんなとこ、帰ったって意味ないし。あんたらだって俺みたいなの帰ってきたって迷惑なだけじゃん。」

ねえ、直君。

あたしにはとってもなんだか、悲しそうに聞こえる。

それが本心のようには聞こえないよ。

「帰ろう、直君。」

「だからっ…しつけえな!血の繋がりもないのにいきなり家族になんてなれるかよ!」

「あたしは、他の兄弟の本当の妹じゃないよ。」

あたしが言うと、直君は黙った。

本当は言うつもりなかったけど、これで話ができるなら。

だったらあたしは話すよ。