一ノ瀬さん家の家庭事情。®️

帰る場所。

それがあることはとても幸せなこと。

誰かがおかえりって言ってくれること。

そんな小さなことが幸せなんだ。

「だから直君が、帰る場所がないのは俺が辛い。家族になるのは時間がかかるかもしれないけど、帰る場所くらいは作ってあげたいって、思うのは俺の自己満足なのかもしれない…けど…」

「自己満足じゃない。」

そう言ったのは玲だった。

「俺はあいつの考えてること、わかんない。ムカつくこともたくさんある。…けど、家の…この家に帰る場所があるのは、…嬉しいこと、だと俺も思うから…」

「れ、玲いいいぃ!!」

あらあら、りっちゃんは玲に抱きついちゃったよ…

「ちょっと、やめてよ。」

いつもの冷静な玲さん。

たまにデレる、というか素直になるのは反則。

「とりあえず、直君を迎えに行こう。」

優兄が言う。

「…待って!」

直君を迎えに行くのは…

「あたしに、あたしに行かせて欲しい!」