一ノ瀬さん家の家庭事情。®️

あたしが言うと直君はなぜか目を大きく見開いた。

「…変なの。」

直君はそう言うと二階に上がって行ってしまった。

あーあ、せっかくお話しできそうだったのに。

なんか余計なこと、言っちゃったかな?

「ただいま、愛。」

そうこうしているうちに優兄も帰ってきた。

「今日は直君、早いんだね。よかった。」

「うん、ねえ、優兄。あたしね、直君のこと、もっとちゃんとその、仲良くなりたいなって思う。」

優兄も頷いた。

「そうだよね、家族だからね。」

家族って当たり前にそこにあるものだって、前までは思ってた。

生まれたときから、ずっとそばにいて、それが普通の存在。

だけどきっと、それは違う。

お父さんがいて、りっちゃんがいて、真兄が、優兄が、玲がいて。

それは当たり前なんかじゃない。

だからこそ、あたしはみんなと家族になれたことが、一ノ瀬家の一員としてここにいれることが、とても嬉しいんだ。