一ノ瀬さん家の家庭事情。®️

浅丘君はあたしが話し終えるまでうんうん、と相槌を打ちながら聞いてくれた。

「そっか、新しい弟、か。」

浅丘君にも弟がいるよね。

「反抗期は難しいよな、涼太も去年くらいはやけにツンツンしてた。」

そうなんだ。

涼太君ってそういうの、あんまりないのかと思ってた。

「…でもやっぱりその、直君?は不安なんじゃないかな。その不安を解消してあげられるのは一ノ瀬たちしかいないと思う。って、いうのは簡単だよな、ごめん!」

そんな!

謝らないで!

「ありがとう、あたし、もう一度話してみる!」

何度だって向き合う。

それが家族になる第一歩だよね。

綺麗事だけじゃやっていけないのはわかってる。

だったら後悔したくない、思い切りぶつかるのもアリだよ。

「…って、また一ノ瀬って呼んじゃった。名前で呼ぶって言ったのに、なかなか慣れないや。」

浅丘君が名前を呼んでくれた時。

とてもとても、嬉しかった。