一ノ瀬さん家の家庭事情。®️

「むかしむかし、王妃様と王様がいました…」

綺麗な澄んだ声のナレーションから始まった。

音響は吹奏楽部の芽衣ちゃんが担当するらしい。

この声も芽衣ちゃん。

そして劇は順調に進み、浅丘君扮する王子様が出てきた。

「わー、浅丘君、似合うね!」

でしょでしょ!

「正統派王子様って感じだもんね、優しいし、かっこいいし!」

その通り!

「彼女いるって噂、本当なのかな?どんな子だろう。」

す、すみません…

こんな子です…

「愛ちゃん!い、一ノ瀬君が…キレイ…」

確かに眠るフリ?いやあれはガチで寝てる。

でも玲は女の子がみんなうっとりするくらい綺麗だ。

「俺、一ノ瀬なら…いけるかも知んない…」

なんて変な怪しい発言をしているそこのあなた!?

気を確かに持って!

玲はれっきとした男だよ!

「なんて美しい姫なんだろう…」

浅丘君が玲に近づく。

やだ、なんだかドキドキしてきた。