一ノ瀬さん家の家庭事情。®️

「その顔、反則。」

えっ?

何?と聞き返そうとした瞬間。

あたしは肩を柚之木君の方に引き寄せられた。

背の高い柚之木君は首を傾けて、屈んで…

「…んっ!!?」

な、な、なに!!!?

なにが起こって…るの!?

「…やだっ!!」

渾身の力で柚之木君を突き飛ばした。

今、いま…あたしっ…

柚之木君に、キス、された…!?

「俺、愛ちゃんのこと、本気で好きだよ。」

なんで…なんで!?

あたし、どうしよう…

どうしようっ…

やだ、ヤダ…

最悪だ…

浅丘君…

なにも考えられなくて、ただ涙が溢れる。

「ごめんね、…でも俺、本気なんだ。本気で愛ちゃんが好きだ。」

目の前の柚之木君は今まで見てきたどの柚之木君とも違う。

目を、そらさせないようなそんなオーラが出てる。

少し怖くなった。

「愛ちゃんに彼氏がいても、それでも奪いたいって思うくらい、それくらいに好きなんだよ。」