一ノ瀬さん家の家庭事情。®️

文化祭1日目の午後三時。

「なんでこんなことに…?」

思わず心の声が漏れちゃうあたし。

あたしが手に持っているのは、フリフリのスカート。

「愛ちゃん!こっちこっち!」

そして駆け寄ってくる、かわいいかわいい…

「葉ちゃん!なにこれ!」

すると葉ちゃんも泣きそうな顔。

「お、俺だって…き、昨日言われて…グスッ…なんでこんなことに…」

あららら、そんな泣いちゃったらせっかくつけてるマスカラがとれちゃうよ。

「園田!どこいった!?」

「葉ちゃーん?」

「やべ!見つかる!」

葉ちゃんは身をひそめるように階段の踊り場の下に隠れた。

改めて見ると…

顔には薄くメイクまでしてある!

なんで?

あんなにシンデレラをやるのは拒否して、なんとかあたしと同じ、裏方の仕事につけたってものすごく嬉しがっていたのに。

「愛ちゃん…これ!」

葉ちゃんがポケットから取り出したのは派手なピンク色の広告。