一ノ瀬さん家の家庭事情。®️

「お待たせ!」

着替えを済ました浅丘君。

せっかくだから、王子様姿の浅丘君と回るのも良かったかな、なんて。

「さっきは恥ずかしいところ、見られちゃったね。」

照れたように笑う。

そんな仕草も、ドキドキしてしまう。

「ビックリした。まさか玲がお姫様で、浅丘君が王子様だなんて。」

「うん、一ノ瀬に絶対言わないでって一ノ瀬に言われて…ってなんかややこしいね。」

たしかに、あたしも玲も一ノ瀬だもん。

「…愛」

「は、はいっ!?」

突然名前を呼ばれてびっくり。

しかも呼び捨て!名前の呼び捨て!

初めてだよ!

すごい、さっきよりもドキドキが激しくなってる。

「愛って呼んでもいい、かな?」

「…うん!読んで下さい…!」

またあたしの夢がひとつ叶った。

好きな人に下の名前で呼んでもらうこと。

ただそれだけのことなのに、とても嬉しくて、顔がにやけちゃうほど幸せで。