一ノ瀬さん家の家庭事情。®️

「れ、玲…もしかしてお前、アレにエントリーされたのか!?」

「えっ?アレに!?」

アレ?

なんですか、それは!

真兄と優兄が目を合わせる。

なに、アレって!

すごーく気になる!

「なんでもいいよ、ほら、遅刻するから。」

「あっ、待ってよ!」

あたしは玲を追いかける。

それにしても本当に謎でしかない。

はるひちゃんはこのこと、知ってるのかな?

知ってたら真っ先に教えてくれそうだけど。

考えてみたら最近部活に顔出せてないから、ほのちゃんや浅丘君から聞くこともなかったもんね。

「ねえ、玲、なんでその役、受けようと思ったの?」

すると玲は表情ひとつ変えずに言った。

「だって一番楽だって言うから。寝とけばいいんだって。」

な、なにそれ…

まあ確かに眠り姫は寝とけば、いい役だけど…

「前半と後半で役変わるから。前半はセリフとかあるけど後半はずーっと寝とくだけ。照明とか衣装とかだるいし、ちょうどいいって言われた。」