一ノ瀬さん家の家庭事情。®️

たまらなくなった。

だから?

あたし!?

なに、なに、なにやって!?

「…一ノ瀬!?」

「…ご、ごめんなさいっ!!」

あたしはバッと離れた。

なにやってんの!

バカバカ!

抱きつくとか、恥ずかしすぎる!

「…もう離れるの?」

へ?

恐る恐る顔を上げると、そこには笑った顔の浅丘君。

「なんて、ヘタレの俺には言えないか。」

ヘタレなんて…

あれ?

もしかして、あたしが言ったんだっけ?

イヤイヤ!

ヘタレ、とまでは言ってない…

たぶん、たぶん…!?

「一ノ瀬に言われて、本当に思ったよ。俺ってヘタレで、意気地なしで。俺だって一ノ瀬と、その…」

「おーい、お前ら!そろそろ帰るぞ!」

せ、先生!

タイミング悪いですよ!

「じゃあ浅丘は今日はもう帰れ。一ノ瀬は学校で事情説明な。」

「いや、俺から事情説明したいんで俺も帰ります。」

「でも…」

「お願いします!…俺、キャプテンなんで。」