一ノ瀬さん家の家庭事情。®️

「俺がいいって言ってんだ!もう風呂入って寝る!」

真兄は乱暴にドアを閉めるとリビングから出て行ってしまった。

シンと静まりかえるリビング。

「律兄、真のご飯、用意して。」

静寂を破ったのは優兄の優しい声。

「え…」

「俺が話、聞いてくるよ。」

優兄がキッチンに入り、晩御飯を用意し始める。

同い年の同じ境遇にいる優兄が一番真兄のこと、わかってるのかもしれない。

真兄と優兄は見た目以外は正反対。

性格はもちろん、好きなこと、得意なこと。

だけど二人は特別な絆があるって妹のあたしから見てもわかる。

双子の二人にしかわかりあえない強い絆。

「じゃあ、頼むな。」

りっちゃんも納得したみたい。

「うん、愛も今日はつかれたでしょ?真、もうシャワー浴びたみたいだから、お風呂入ってゆっくり休んで。」

「うん、ありがとう…」

その日は真兄と優兄は二階から降りて来なかった。