一ノ瀬さん家の家庭事情。®️

「園田、お前顔色悪いぞ。このまま桐嶋で行くか?」

顧問の羽鳥先生が葉ちゃんを見ながら言う。

さっきより顔色、悪くなってる。

それになんだかグッタリしている。

たしかにこのままだと出ないほうが…

「…いや、大丈夫です!出させてください!」

「でも…」

「葉が出ます。」

遮ったのは真兄の声。

「真先輩…」

「葉、見せつけてやれ。」

ニッと笑ったその顔は、なんだかいつもより…

キャプテン、みたい。

いや、そうなんだけどさ!

「はい!ありがとうございます!」

そしていよいよラストスパート。

あと二点。

お願い!

「葉!」

真兄がパスをまわしたのは葉ちゃん。

葉ちゃんはボールを受け取り、その素早い動きでどんどん敵のディフェンスをかわしていく。

そしてゴール前、あの嫌味野郎の前で飛んだ。

とても綺麗な、ジャンプ。

高くて、しなやかで。