【Quintet】

{週刊誌? うん、昨日来たよ。職場の前で待ち伏せされてね、エッロイ目付きのおっさんだった}
『そういう大事なことは早く言えよ……。一応、芸能人の彼女だぞ……』

溜息をついて頭を垂らす晴を海斗と星夜は哀れんで見ていた。

 伯父がロックバンドの元ボーカル、従兄弟の悠真と海斗も恋人の晴もロックバンドのメンバー、芸能人に囲まれているのが当たり前な環境にいる花音には、自分が芸能人の近親者や関係者だという意識がない。

良くも悪くも花音にしてみれば、伯父も二人の従兄弟も晴も、“テレビの中にだけ存在する芸能人”ではないのだ。

{ごめーん。昨日ネイルサロンの予約入れてて、急いでたから晴に言うの忘れちゃった。名刺もらったんだけど……あった。並木出版の週刊ルポルタージュって雑誌の記者で、名前は桑田真隅。マスミなんて響きが綺麗な名前、あのエロ親父には似合わない名前ねぇ}
『桑田に何聞かれた?』
{晴とはいつから付き合ってるの? どこで知り合ったのー? って。質問全部シカトしたけど、バッティングセンターの帰りに晴とエッチしたのー? ベッドでホームラン打ってもらったー? って聞かれたから、はいっ! って満面の笑みで答えてやったよ}
『……その質問こそシカトしてくれ』

それこそ週刊誌には美味しいネタだ。