【Quintet】

『俺の恋人はモテて困る』
「私が……もっとちゃんと拒んでいれば……」
『沙羅。それは性犯罪に遭った人が自分を責める時と同じ言葉だ。抵抗しなかったからって同意にはならない。沙羅を慰めるためだとしてもキスは100%星夜が悪い。星夜は後で叱っておくよ』

 沙羅のパジャマの袖は涙が染みて濡れていた。まだ流れてくる涙を悠真がティッシュで拭いてやる。
明日が土曜で大学が休みなのが幸いだ。これだけ泣けば目元の腫れは明日も残る。

彼女は鼻をグズっと鳴らして悠真を見上げた。

「喧嘩するの?」
『大丈夫。俺達流の落とし前をつけるだけだよ。疲れただろ? もう寝よう』

 悠真は肌触りのいいベッドに沙羅と二人で潜り込んだ。二人分の体温でベッドの中が徐々に温まってくる。

『キスの上書きはさせてね。俺は沙羅に関しては物凄く独占欲強いんだ』
「……うん」

今度こそ悠真の唇は優しくそこに着地した。もっと、とキスを求める沙羅に彼はいつまでも応え続けた。