午後8時半を過ぎて悠真と海斗が帰宅した。
『沙羅は部屋?』
『だと思う。さっき風呂入ってた』
晴の返答を聞いた悠真はそのまま沙羅の部屋に向かった。ノックをしても返事がないので扉を細く開けて彼女に声をかける。
『沙羅、今帰ったよ』
淡いオレンジの間接照明が灯る部屋で沙羅はベッドにうずくまっていた。顔を上げた彼女と部屋に入った悠真の視線が交わって、視線の糸がひとつになる。
膝をかかえて縮こまる沙羅の身体が悠真の腕に包まれた。後ろから抱きしめられた沙羅は身体の力を抜いて悠真に身を預けた。
『何があったか話して。思ってること全部、俺に吐き出して』
「……帰り道に出版社の人に話しかけられたの。女の人」
ポツリポツリと話を始めた沙羅の手が悠真の腕にしがみつく。悠真はシャンプーの匂いをさせた沙羅の髪に鼻先を埋め、彼女の声に耳を澄ませた。
『北山圭織だね。彼女と何を話した?』
「悠真が北山さんのお姉さんと付き合っていて、お姉さんはその時は結婚してたって……本当?」
『沙羅には隠し事をしたくないからありのままを言うと、本当だ。北山圭織の姉の名前は亜紀子さん。亜紀子さんが結婚しているのをわかっていて、付き合っていた』
軽蔑されようともこれが事実だ。隠して誤魔化す方がよっぽど沙羅を傷付ける。
『沙羅は部屋?』
『だと思う。さっき風呂入ってた』
晴の返答を聞いた悠真はそのまま沙羅の部屋に向かった。ノックをしても返事がないので扉を細く開けて彼女に声をかける。
『沙羅、今帰ったよ』
淡いオレンジの間接照明が灯る部屋で沙羅はベッドにうずくまっていた。顔を上げた彼女と部屋に入った悠真の視線が交わって、視線の糸がひとつになる。
膝をかかえて縮こまる沙羅の身体が悠真の腕に包まれた。後ろから抱きしめられた沙羅は身体の力を抜いて悠真に身を預けた。
『何があったか話して。思ってること全部、俺に吐き出して』
「……帰り道に出版社の人に話しかけられたの。女の人」
ポツリポツリと話を始めた沙羅の手が悠真の腕にしがみつく。悠真はシャンプーの匂いをさせた沙羅の髪に鼻先を埋め、彼女の声に耳を澄ませた。
『北山圭織だね。彼女と何を話した?』
「悠真が北山さんのお姉さんと付き合っていて、お姉さんはその時は結婚してたって……本当?」
『沙羅には隠し事をしたくないからありのままを言うと、本当だ。北山圭織の姉の名前は亜紀子さん。亜紀子さんが結婚しているのをわかっていて、付き合っていた』
軽蔑されようともこれが事実だ。隠して誤魔化す方がよっぽど沙羅を傷付ける。

