【Quintet】

 11月には珍しい豪雨は夕焼けの太陽を隠し、輝く月を隠し、街を暗く沈澱させる。

『すっげぇ雨。お、またザーッと来た!』
『おおー!』

 マネージャーの車の中で雨の見物をしてはしゃいでいるのは星夜と晴だ。今日はこの二人だけが先に帰宅、悠真と海斗はライブの打ち合わせがある。

マネージャーに送り届けられて二人は十九階の我が家に帰宅した。

『ただいまー。沙羅ー?』
『リビング真っ暗。沙羅帰ってないのか?』
『靴はあったし、折り畳み傘も玄関に広げてあるから帰ってるとは思うけど……』

 家の中は星夜が電気をつけるまでリビングもキッチンも灯りがついていなかった。いつもなら夕食の準備をしている沙羅がどこにもいない。

『調子悪くて部屋で寝てる?』
『かもな。……沙羅ー? 大丈夫かー? どっか具合悪い?』

晴が沙羅の部屋を控えめにノックした。静かな廊下に沙羅の声は響かず、扉も開かない。

『一応開けてみる? 鍵かけてるか?』
『……かかってない。寝てたらそのまま寝かせておこう』

沙羅の部屋の扉を開けた星夜と晴は薄暗い室内に彼女の姿を捜す。