完璧な人間の裏側に隠れた涙が沙羅には見えていないだけかもしれない。
悠真達も一流の音楽を最高の形で届けられるように日々練習を重ねていた。
「付き合い始めは幸せだけど、この幸せがいつまで続くんだろうって勝手に不安になっちゃう時期でもあるんだよ。私も隼人の彼女が私でいいのかなって今でも思う。たくさん迷惑かけて傷付けて、ダメダメな彼女だもん」
夏に美月と隼人が大喧嘩した話は聞いている。仲良しな二人が一時は別れる寸前だったと後に美月から聞いた時は驚いた。
「でも隼人は、いつも私を離さないでいてくれる。このままの私が好きなんだって言ってくれるの。……あ、ノロケちゃったっ……」
「ノロケてる美月ちゃん可愛いっ!」
赤面する女同士でぎゅっとくっついて笑い合う夜は、心がほっこり暖まる。
「悠真くんも海斗くんや星夜くんも、そのままの沙羅ちゃんが好きなんだよ。悠真くん達が沙羅ちゃんを好きになったのは葉山美琴さんの娘だからじゃない。沙羅ちゃんだから、好きになったんだよ。私が沙羅ちゃんと友達になったのも葉山美琴さんの娘だからじゃないよ」
窓の外には美月の名前と同じ綺麗な月が輝いていた。月をテーマにした曲を演奏する時は必ず、美月の優しい笑顔が心に浮かぶ。
美月は音楽を通じて苦楽を共にする大学の友達とも、お姉さんな花音とも違う。秘密を隠す必要のない彼女には今後の悠真との関係の不安も海斗と星夜への罪悪感も、なんでも話せた。
“葉山美琴の娘”ではない、葉山沙羅として築いた友情に沙羅は救われていた。
悠真達も一流の音楽を最高の形で届けられるように日々練習を重ねていた。
「付き合い始めは幸せだけど、この幸せがいつまで続くんだろうって勝手に不安になっちゃう時期でもあるんだよ。私も隼人の彼女が私でいいのかなって今でも思う。たくさん迷惑かけて傷付けて、ダメダメな彼女だもん」
夏に美月と隼人が大喧嘩した話は聞いている。仲良しな二人が一時は別れる寸前だったと後に美月から聞いた時は驚いた。
「でも隼人は、いつも私を離さないでいてくれる。このままの私が好きなんだって言ってくれるの。……あ、ノロケちゃったっ……」
「ノロケてる美月ちゃん可愛いっ!」
赤面する女同士でぎゅっとくっついて笑い合う夜は、心がほっこり暖まる。
「悠真くんも海斗くんや星夜くんも、そのままの沙羅ちゃんが好きなんだよ。悠真くん達が沙羅ちゃんを好きになったのは葉山美琴さんの娘だからじゃない。沙羅ちゃんだから、好きになったんだよ。私が沙羅ちゃんと友達になったのも葉山美琴さんの娘だからじゃないよ」
窓の外には美月の名前と同じ綺麗な月が輝いていた。月をテーマにした曲を演奏する時は必ず、美月の優しい笑顔が心に浮かぶ。
美月は音楽を通じて苦楽を共にする大学の友達とも、お姉さんな花音とも違う。秘密を隠す必要のない彼女には今後の悠真との関係の不安も海斗と星夜への罪悪感も、なんでも話せた。
“葉山美琴の娘”ではない、葉山沙羅として築いた友情に沙羅は救われていた。

