【Quintet】

 芸歴はデビュー2年目の新人でもUN-SWAYEDの四人は人気俳優の一ノ瀬蓮と並ぶ顔の良さだ。素顔をファンに晒せば、彼らがどれだけ自分達はアイドルではないと言い張ってもアイドル的な人気も出てくるだろう。

『でもサングラスって、いかにも芸能人の変装だってわかるから意味ないんだよね。蓮もサングラスしてるけど大概バレてる』
「うーん。あとは帽子やマスク?」
『ここに付け髭でも付けてみようか?』

悠真が口の周りを指差した。彼の手作りおにぎりを食べていた沙羅は笑いを堪えきれずに口元を押さえる。

「悠真が付け髭つけたら、渋くてかっこいいおじ様になっちゃうね」
『楽しそうだね』
「50歳の悠真を想像しちゃったの。ふふっ」
『50歳の俺の隣には45歳の沙羅がいてくれると嬉しいな』

 突然の流し目攻撃にふいをつかれて、沙羅の顔は弁当箱にいる赤いタコさんウインナーと同じ色になった。

恋人になってから悠真のアプローチは前よりもストレートで積極的になった。
沙羅をからかって面白がるところは弟の海斗と同じだ。高園兄弟はやっぱり見た目も性格も似ている。

「悠真って……」
『んー? なにー?』
「……優しいドSだよね……」
『なにそれ。優しいの? Sなの? どっち?』

 大人びた雰囲気の悠真が見せる顔をくしゃっとさせた笑顔にきゅんとした。
初恋同士の好きな人との初デートは交わす言葉も甘ったるくて、心臓もドキドキしていて息が苦しい。

こんな幸せな日常が続いてほしい。
これからもずっと。