【Quintet】

 動物園の人気者のジャイアントパンダはコロコロとした丸い身体を器用に座らせて葉をかじっていた。
パンダの後はゾウに会い、キジやフクロウのコーナーを抜けてゴリラとトラに挨拶。経路に従って歩くとホッキョクグマに出会えた。

『寝起きの海斗みたいな顔してるな』
「ほんとだー!」

ホッキョクグマはまだ眠たいようで、地面に寝転んで目を閉じたり開いたりしている。その姿は朝寝坊した時の海斗そっくりだ。

 東園から隣の西園に移動して不忍池《しのばずいけ》のテラスで早めのランチタイム。上空に広がる秋の空は天気予報通りの快晴だ。

「初日のチケット全席完売しちゃったんだよね。セットリストの曲決まった?」
『案はいくつかあるんだ。何通りかリハーサルして最終的に決めるのは今月中。ライブまでに沙羅と沢山出掛けたいけど、しばらく休みがないんだ』
「これからは出掛ける時は変装するの?」
『俺達は一ノ瀬蓮ほどの大物じゃない。顔を隠さなきゃならないとも思わないんだけどねぇ。変装するとしてもサングラスや眼鏡くらい?』
「ミリオン売り上げてるUN-SWAYEDもよっぽど大物だよ……」