【Quintet】

 星夜もビールに手を伸ばす。彼の携帯電話からはまだ香川くるみの映像が流れ続けていた。

『付き合ったの夏祭りの時だろ。もう1ヶ月過ぎたぞ。まだ花音とヤってねぇの?』
『キスしただけで顔真っ赤になるんだ。ナチュラルに下ネタ言う女だけど中身はかなりのピュア。なかなか手が出せない』
『あのFカップを目の前にして我慢するの大変そう。くるみちゃんは偽乳だろうけど花音は本物Fカップだもんな』

作り物感のあるバストは男に与えられる振動で激しく揺れている。そろそろ行為映像も終盤だ。

『なんで星夜は花音がFカップって知ってるんだ。俺も知らないのに!』
『花音からメールあったんだ。下着の採寸したらFカップだった! 胸おっきくなった! って。晴がどんな下着が好みか聞かれたから、ヒラヒラスケスケのえっちぃので間違いなしって答えておいた』
『それはお前の好みっ! 俺が好きなのは白や薄いピンクのシンプルなヤツ!』
『へぇ、晴の好みは清純派か。でかい乳に清純派のブラはギャップあっていいよなー』
『花音に必要なのは恥じらいだ』

 晴をからかう星夜と呆れる海斗の視線の先では最大限に甘い声を出した香川くるみがベッドの上で果てていた。すべてが演技だと思うから割り切ってAV鑑賞もできる。

甘い声も欲に火照った頬も目尻に浮かぶ涙も、抱き締めた小さな身体のぬくもりも、キスした時の柔らかな唇の感触も、沙羅と過ごしたひとときがいっそのこと全て偽物ならば、もっと心は楽だった。

 秋の夜長の男三人の酒盛りは続く。
アルコールが回って陽気に拍車をかけた晴が鼻唄を歌い始めた。海斗と星夜の滲んだ瞳に、気付かないフリをして。