【Quintet】

『こうやって気を紛らせねぇとやってられないだろ。これからは沙羅と悠真が同じ家でいちゃついても、平気な顔してないといけないんだから。今頃はイイコトの真っ最中かも?』
『沙羅が兄貴に抱かれてるとこなんか想像したくもねぇ』
『海斗はまだいいよ。俺なんか沙羅のパンツすら見たことないんだ。俺に内緒でパンツの中身まで見やがって!』
『沙羅はけっこう感度良かったぞ』
『だから俺を呼んで交ぜろよ! 自分だけ美味しい想いして海斗も悠真も腹立つなぁ』

 低俗な会話と欲の解放のためだけの映像が今は不思議と心地よかった。余計なことを考えずに女の甘い声に耳を傾けていたい夜もある。

 香川くるみの揺れるバストをぼんやり眺めていた海斗と星夜の背後に近付く男がひとり。彼は二人の肩を後ろから抱いた。

『やぁやぁ、皆の衆。冷えたビールはいかがです? おっ、二人してイイモノ観てるじゃねぇかっ! この乳誰? 香川くるみちゃん?』
『うわぁっ。彼女持ちがキター』
『めちゃくちゃうぜぇ……』

くるみの喘ぎ声にも負けない晴の大きな声に海斗と星夜は耳を鬱いだ。晴はビニール袋に詰めた缶ビールや缶チューハイをウッドテーブルに並べている。

『こんなところで風に吹かれてAV鑑賞なんて粋なことして。俺を仲間外れにするなよ。優しい晴お兄さんが慰めてあげるから』
『花音の巨乳に顔埋めてる男に慰められたくありませーん』
『いやー……実はまだなんだよなぁ』

 海斗達の向かいのウッドチェアに腰掛けた晴は缶ビールのプルタブを開けた。