【Quintet】

 家を出る沙羅を見送り、リビングに戻った悠真は集まった海斗と晴と例の件の話し合いを進める。

『店に連絡して確認がとれた。確かに甲本律はあのピザ屋で働いていたが、先月末で店を辞めてる。これを届けた日が律の最後の出勤日だったようだな』

 沙羅の証言によると盗撮された写真は服装や持ち物から見て5月頃。夕食にピザのデリバリーを頼んだのがキャンプから戻った5月5日。

5月5日を境にして律は沙羅と四人を付け狙い始めた。

『辞めてるなら本人取っ捕まえて目的吐かせたくても、どこにいるかわかんねぇな』
『個人情報だから住所や連絡先は教えてもらえなかった。今の俺達にできるのは沙羅を守ることだ』

四人の想いは一致している。犯人が律だとして何故、面識のある晴や悠真ではなく過去の出来事と無関係な沙羅を狙うのか……。

 一刻も早く律を捜して話し合いたいが多忙を極める彼らが仕事の合間に人捜しをするのは難しい。
昔のツテを使うにも学生時代の仲間もこの年になれば誰もが社会人。学生の時とは違うのだ。無関係な人間を騒動には巻き込めない。

 20分後にはマネージャーの迎えが来る。沙羅を大学に送った星夜はそのまま車で港区の事務所に向かう段取りだった。