【Quintet】

 晴の淡い恋と青春の物語から敵対する二つのグループの話に変わるのと同時に、星空も秋から冬に移り変わった。

『律は族入ったことは由芽には内緒にしてた。でも由芽は勘がいいから律が悪い連中と付き合ってるって知ってたよ。俺は何かあった時に律を止められるようにブラックオニキスと敵対してる黒龍に入った。悠真には呆れられたけどなー。そんで高1の冬に黒龍がブラックオニキスを潰したんだ』
「潰した……って……。知らない世界の話しすぎて何が何だか……」

見上げた天井の星座で一番最初に見つけたのは冬の闇に輝くオリオン座。

『ははっ。ついていけないよなー。由芽も沙羅と同じような反応してたよ。その頃には律と会っても俺達は殴り合いの喧嘩しかしてなかった。由芽と律も上手くいかなくなって二人は別れたんだ。由芽の親が律を毛嫌いしていたのもあるんだろうな。ブラックオニキスが解散しても律は質《タチ》の悪い連中とつるんでた。中学の頃はいつも三人でいたのに律だけが俺と由芽から離れて荒んでいった。由芽は別れた後も律を心配してたよ。自分が原因で律がさらに荒れたことに責任も感じてた』

 冬の星空は宇宙の宝石箱。オリオン座のベテルギウス、こいぬ座のプロキオン、おおいぬ座のシリウスの冬の大三角が二人の頭上に輝く。