由芽の名前が出た途端に空気が重く感じたのは気のせい?
彼女のフォローをしたのは星夜だ。
『沙羅、由芽ちゃんは亡くなってるんだ』
「……え?」
『晴、沙羅に話してもいい?』
『……ああ。星夜から話してやって』
夜空の封筒を見つめる晴の声は沈んでいる。悠真も塞ぎ込んでいた。由芽の話題で平常心を保っていられるのは星夜と海斗だけのようだ。
『俺が高1だから晴と悠真が高3の冬に由芽ちゃんは交通事故に遭って亡くなった。だから由芽ちゃんが手紙の差出人なわけがないんだよ』
「そうなの……。ごめんね。何も知らないのに……」
『知らなかったんだから当たり前だよ。沙羅は悪くない。気にしないで』
沙羅の頭を撫でる悠真も無理して笑っているように見える。
『これ俺に開けさせてくれない?』
震える晴の声に皆が伏せていた顔を上げた。首肯した悠真がペン立てにあるハサミを晴に渡す。
晴はハサミで慎重に封筒の側面を切り落として開封された封筒の中身を引き出した。
『……なんだよこれ』
封筒に収まっていた中身を見た全員が息を呑んだ。中に入っていた物は手紙ではなく沙羅を写した写真だった。
彼女のフォローをしたのは星夜だ。
『沙羅、由芽ちゃんは亡くなってるんだ』
「……え?」
『晴、沙羅に話してもいい?』
『……ああ。星夜から話してやって』
夜空の封筒を見つめる晴の声は沈んでいる。悠真も塞ぎ込んでいた。由芽の話題で平常心を保っていられるのは星夜と海斗だけのようだ。
『俺が高1だから晴と悠真が高3の冬に由芽ちゃんは交通事故に遭って亡くなった。だから由芽ちゃんが手紙の差出人なわけがないんだよ』
「そうなの……。ごめんね。何も知らないのに……」
『知らなかったんだから当たり前だよ。沙羅は悪くない。気にしないで』
沙羅の頭を撫でる悠真も無理して笑っているように見える。
『これ俺に開けさせてくれない?』
震える晴の声に皆が伏せていた顔を上げた。首肯した悠真がペン立てにあるハサミを晴に渡す。
晴はハサミで慎重に封筒の側面を切り落として開封された封筒の中身を引き出した。
『……なんだよこれ』
封筒に収まっていた中身を見た全員が息を呑んだ。中に入っていた物は手紙ではなく沙羅を写した写真だった。

