悠真が話の口火を切った。
『切手と消印がないからこれはうちの郵便受けに直接入れられた物だ。宛先は俺達五人の誰か。ただ、俺達がこのマンションに住んでいるのを知るのは、それぞれの親と事務所関係者のみ。あとは隼人と美月ちゃんだけど、あの二人が俺達の情報を外部に漏らすとは思えない』
『じゃあ俺達宛てじゃなくて沙羅宛? 沙羅の友達ならこの家知ってるだろ?』
海斗が沙羅を見た。沙羅は首を傾げて唸った。
「大学の友達でこの家に遊びに来たことがある子は三人かな。でも学校で毎日会ってるから手紙を送るのはちょっと変かも。高校時代の友達でもメールがあるのに手紙って言うのは……」
宛先が沙羅の線も薄い。益々わからず場が混沌とする中、晴がテーブルの封筒に手を伸ばした。
『この封筒……由芽《ゆめ》が使っていたヤツと似てる』
「……由芽?」
『そうか、由芽だ。やっと思い出した』
晴と悠真だけで進められる会話に沙羅はついていけない。
『由芽って……あの?』
『でも由芽ちゃんは……』
海斗と星夜は何か知っているようだが、それ以降は何も口にしない。沙羅だけが話に取り残されていた。
「あの……ユメ……? って、皆の知ってる人?」
『由芽は俺と晴の中学の同級生の女の子だよ。由芽は星空が好きな子でね、星座のレターセットでよく手紙を書いていたんだ』
沙羅の疑問には悠真が答えた。ようやく話を理解できた沙羅はこの不思議な手紙の送り主の正体がわかった。
「そっか。じゃあユメさんがこれを届けたんだね! 晴と悠真宛かな?」
沙羅の発言に四人は無言だった。
『切手と消印がないからこれはうちの郵便受けに直接入れられた物だ。宛先は俺達五人の誰か。ただ、俺達がこのマンションに住んでいるのを知るのは、それぞれの親と事務所関係者のみ。あとは隼人と美月ちゃんだけど、あの二人が俺達の情報を外部に漏らすとは思えない』
『じゃあ俺達宛てじゃなくて沙羅宛? 沙羅の友達ならこの家知ってるだろ?』
海斗が沙羅を見た。沙羅は首を傾げて唸った。
「大学の友達でこの家に遊びに来たことがある子は三人かな。でも学校で毎日会ってるから手紙を送るのはちょっと変かも。高校時代の友達でもメールがあるのに手紙って言うのは……」
宛先が沙羅の線も薄い。益々わからず場が混沌とする中、晴がテーブルの封筒に手を伸ばした。
『この封筒……由芽《ゆめ》が使っていたヤツと似てる』
「……由芽?」
『そうか、由芽だ。やっと思い出した』
晴と悠真だけで進められる会話に沙羅はついていけない。
『由芽って……あの?』
『でも由芽ちゃんは……』
海斗と星夜は何か知っているようだが、それ以降は何も口にしない。沙羅だけが話に取り残されていた。
「あの……ユメ……? って、皆の知ってる人?」
『由芽は俺と晴の中学の同級生の女の子だよ。由芽は星空が好きな子でね、星座のレターセットでよく手紙を書いていたんだ』
沙羅の疑問には悠真が答えた。ようやく話を理解できた沙羅はこの不思議な手紙の送り主の正体がわかった。
「そっか。じゃあユメさんがこれを届けたんだね! 晴と悠真宛かな?」
沙羅の発言に四人は無言だった。

