6月1日(Mon)午後5時
太陽が雲の隙間から見え隠れしている。季節が6月に突入した今日は晴れたり曇ったりのすっきりしない空模様。
梅雨入り間近のじめじめした渋谷の街を歩く沙羅の左手首には悠真から貰った腕時計が嵌められ、肩には晴に貰った通学用のバッグを提げている。
海斗からのプレゼントのイヤリングはプライベートで遊びに行く時に、星夜に贈られた演奏会用のワンピースは沙羅が何歳になっても似合うデザインを彼が選んでくれた。
沙羅のこの先の音楽人生を星夜は見越しているのだ。あのワンピースを最初に着るのは11月にある大学祭での演奏会だろう。
マンションのエントランスに入った沙羅をいつものようにコンシェルジュが笑顔で出迎える。
彼女はロビーの一角のメールボックスを開けた。今はUN-SWAYEDの四人も同居しているので届く郵便物も父や沙羅の物を含めて六人分。
今日届いた郵便物は公共料金の明細書と星夜宛に転送されて届いた封筒。封筒に印字された名前を見ると彼が3月まで在籍していた美大からだ。
他には何もない……とメールボックスを覗いた沙羅はそれに気付いた。
横長の封筒が一通、メールボックスの奥で眠っている。夜空を思わせる濃い青色には白色の線や点で描かれた模様が散りばめられている。
この模様はどうやら星座のようだ。レターセットにしては洒落ている。
(なんだろう……手紙?)
封筒には宛名や差出人の名前もない。封はしっかり糊付けされている。
(うちの郵便受けに入ってるってことは私か四人の誰かに宛てた物だよね?)
太陽が雲の隙間から見え隠れしている。季節が6月に突入した今日は晴れたり曇ったりのすっきりしない空模様。
梅雨入り間近のじめじめした渋谷の街を歩く沙羅の左手首には悠真から貰った腕時計が嵌められ、肩には晴に貰った通学用のバッグを提げている。
海斗からのプレゼントのイヤリングはプライベートで遊びに行く時に、星夜に贈られた演奏会用のワンピースは沙羅が何歳になっても似合うデザインを彼が選んでくれた。
沙羅のこの先の音楽人生を星夜は見越しているのだ。あのワンピースを最初に着るのは11月にある大学祭での演奏会だろう。
マンションのエントランスに入った沙羅をいつものようにコンシェルジュが笑顔で出迎える。
彼女はロビーの一角のメールボックスを開けた。今はUN-SWAYEDの四人も同居しているので届く郵便物も父や沙羅の物を含めて六人分。
今日届いた郵便物は公共料金の明細書と星夜宛に転送されて届いた封筒。封筒に印字された名前を見ると彼が3月まで在籍していた美大からだ。
他には何もない……とメールボックスを覗いた沙羅はそれに気付いた。
横長の封筒が一通、メールボックスの奥で眠っている。夜空を思わせる濃い青色には白色の線や点で描かれた模様が散りばめられている。
この模様はどうやら星座のようだ。レターセットにしては洒落ている。
(なんだろう……手紙?)
封筒には宛名や差出人の名前もない。封はしっかり糊付けされている。
(うちの郵便受けに入ってるってことは私か四人の誰かに宛てた物だよね?)

