【Quintet】

〈禁断のカップリングで夜のお散歩デート〉

 ~川沿いコース・沙羅×隼人~


 隼人が持つ懐中電灯の灯りが夜道を照らす。

『沙羅ちゃん、ここ段差あるから気をつけて』
「うん」

 運命の神様はイタズラ好きだ。海斗とだけはペアにならないでと祈っていた沙羅のペアはまさかの隼人だった。

星夜は身の危険を感じるし悠真も額のキスの件は気になっても海斗よりは気まずくならない。相手が晴と隼人なら楽しそう。
海斗以外ならペアは誰でもいいからと、祈りはしたが。

「ごめんね。隼人くんは美月ちゃんとペアになりたかったよね。相手が私で申し訳ないです……」
『ははっ。謝らないで。美月とペアになれなくて残念だけど、俺は沙羅ちゃんとペアになれて嬉しいよ。沙羅ちゃんとゆっくり話してみたかったからね』

 二人が歩くコースは川沿い。昼間に遊んでいた川は今は真っ暗で何も見えなかった。

「隼人くんが自分を救ってくれたんだって美月ちゃんが言ってたんだよ」
『美月が?』
「昔に何があったのかは詳しくは聞いてないけど、美月ちゃんは高校の時に辛い恋をしたんだね。隼人くんがいたから笑えるようになったって」
『……美月がそう思ってくれるなら俺も少しはあいつに勝てたのかな』

 立ち止まった隼人は空を見上げた。頭上には都心では見られない綺麗な星空が広がっている。

「あいつ?」
『その美月の辛い恋の相手。今でも美月の心に居座ってる男だよ。俺は美月を傷付けたあいつを一生許せないと思う』

小柄な沙羅からは星空を見上げる長身の隼人の表情は確認できない。
美月と隼人は誰が見てもお似合いのカップルだ。