【Quintet】

 それぞれが好みのデザートを選んでのデザートタイム中に星夜が割り箸を割って箸を五本用意していた。

『はいっ、皆様ご注目ー!』

 晴の一声で一同の視線が星夜と晴に集まった。
割り箸に色ペンで色をつけていた星夜と地図を広げる晴。

『これはこのキャンプ場のハイキングコースの地図な。川沿いと森沿いに二つコースがありまーす。歩く時間は短いコースを一周して20分くらい』
『沙羅と美月ちゃんには川沿いと森沿いを歩いてもらいまーす。これは絶対条件ね』

 星夜の発言に沙羅と美月は唖然とした後、「えーっ!」と叫んだ。夜のハイキングコースなんて怖くて歩けない。

『もちろん可愛い女の子をひとりで歩かせはしないよ。沙羅と美月ちゃんには男がひとりペアでつくんだ。そのペアを決めるのがこのクジ。名付けて禁断のカップリングで夜のお散歩デート大作戦ー!』

星夜が割り箸で作っていたのはペア決めのクジだった。

『女の子がどっちのコースを歩くかはトランプで決めるよ。カードのマークがハートなら川沿い、クラブなら森沿いね』

 晴が二枚のトランプカードを沙羅と美月に差し出した。沙羅とジャンケンで勝った美月が先攻で引いたカードはクラブだった。

「私が森沿いで沙羅ちゃんが川沿い?」
「だね……」

 異様なテンションの高さの男子メンバーとは対照的に女子メンバーのテンションは低い。どうあっても誰かと夜道を歩かなければならないのだ。

でも誰と散歩できるか楽しみではある。今は海斗とだけは二人きりになりたくない沙羅は、ペア決めのクジの瞬間に固唾を呑んだ。