「伊織、話聞いてくれてありがとう」

「ううん、私こそありがとう。暁斗くんに明日の朝、学校のこと言おうね」


「うん。暁兄、ビックリするかなぁ?」

そう言いながら和希くんが部屋のドアを開ける。
私は自分の部屋に戻るために、部屋の外へ出る。


「絶対ビックリするよ。暁斗くん、どんな顔する…」


目の前に暁斗くん。



「あれ?暁斗くん。まだ起きてたんだ」


「………あぁ」

「あ、暁兄実は…」



グンッ

「きゃっ!」

なに!?
暁斗くんにいきなり腕を引っ張られる。



「和希くん!おやすみ!」

「…うん、おやすみ……」



なにも言わずに廊下を歩き続ける暁斗くん。

どうしちゃったの!?



「暁斗くん、どうしたの!?腕、痛いよ…!」

私の腕を掴んでる力が強くて、少し痛く感じる。



それでも無視で、気づけば私の部屋にやってきた。



ドサッ!!
やっと手が離れたかと思ったら、ベッドに向かって押された。


「暁斗くん、一体どうしたの…!?」



ギシ…


気づけば暁斗くんもベッドにいて、私の上に覆い被さるようにいる。



え、なにこの状況。

一気に心臓の鼓動が速くなる。
ドキドキうるさい。



「和希の部屋にふたりでいたのか?」

「え?…あ、うん」


学校のこと、早く伝えたいな。


「男の部屋にふたりでいたわけ?」

なんか…怒ってる?


「男っていうか、和希くんだよ」



グイッ

私の両頬を右手で挟むように掴む。



「お前、なにもわかってないな」

「暁斗くん意味わかんな…んっ!!」


言い返そうとしたらキスで止められた。



「あき…」

一瞬離れたと思うと、またすぐに塞がれる。


長いキスに息をするのを忘れてしまいそうになる。



「ふ…んんっ」

え!?これは…なにが起こってる……!?
暁斗くんの…舌が入ってきて……
どうしたらいいの…!?



「いお…」


ねぇ、怒ってるの?暁斗くん


「なんで泣いてんだよ…」

「暁斗くん…怒ってるみたいだから…」


泣くつもりなんてないのに、涙がポロッと流れてきた。



暁斗くんは私の髪を撫でてから、ぎゅっと抱きしめてくれた。



「ごめん…。でも、これからは俺以外の男の部屋は絶対行くな」


抱きしめる力が強くなる。



「俺がヤキモチでおかしくなるから」



ドクンッ!!!


私をジッと見る目。
こんな言葉をそんな目で言われたら…もうほかになにも考えられなくなる。

その目に吸い込まれそうになる。



「俺以外見んな」


見てないよ


「暁斗くん、怒らせちゃってごめんね…だけど」


「見てないよ。ずっと暁斗くんだけしか見てないから」




暁斗くんが優しく微笑んで、私の耳を触った。


「ひゃっ…」


「いい子。好きだよ、いお」



甘くて優しい声と言葉に全てが溶けてしまいそう。



「私も大好き」



俺様な暁斗くんの色んな一面を知るたび、私の心臓は忙しく動く。