「飯田」

「はい、いかがなさいましたか?」


「お前…いおとダンス練習したのか?」

「はい。私なんかが大変おこがましいと思ったのですが、しばしご一緒させていただきました」


「…あっそ」


プイッと後ろを向いた坊っちゃま。



「今後、アイツのことで俺に秘密はなしだ。いいな」

「承知いたしました」


坊っちゃま、拗ねてらっしゃいますね。



「暁斗坊っちゃまは、伊織様がとても大切なのですね」

私がそう言うと、坊っちゃまの顔が赤くなるのがわかった。


こんな坊っちゃま、見たことが…



「あ?ハッキリ言えよ、鬱陶しい」

「いえ、言葉の通りでございます」



ギシッ

坊っちゃまは不服そうな顔で椅子に腰をかけた。



「2度と触るな、アイツに」


「坊っちゃま…承知しましたが、時と場合によってしまうかもしれません」


「同じこと何度も言わせるな」


「大変失礼いたしました」



あぁ、坊っちゃま。

その感情は、【ヤキモチ】でございますね。


坊っちゃまはご自分で気付いてらっしゃらないことが多々あるように思います。



それに最近、以前にも増してお優しくなられたようにー…


バンッ!!

「キモ野郎!!部屋の掃除しますよ!!」

「なんつった、テメェ?しかもノックしろ」

「昨日言われた暴言を許してません」

「何様だ?お前なんかに許してもらう義理なんかねぇよ」


・・・・・


クスッ。
坊っちゃまが楽しそうで、私は心が晴れやかでございます。



「鬼!悪魔!」

「毎回同じことしか言えねぇのか。しょーもな」


まるで、子どもが2人。
まぁ、まだ子どもなんですがね。


「坊っちゃま、伊織様。お茶の時間にいたしましょう」