君にもう一度

「あー、来たんだ。
逃げるかと思ったのにw」
「、、。」
ほんとにやばいやつだ。
あまり顔を知らないこの人は何者かわからない。慎重にならなければ。
「ちょっと待ってて!」
私はこの時一瞬この人が意味深な笑顔を浮かべていたことに気づけなかった。
夏場だからだろうか、教室がとても暑い。熱中症にでもなりそうだ。
何分待ったことだろう。
なかなか帰ってこないので一応外を見ようとドアを開けようとした。
ガチャガチャ。
あ、やられた。
閉められていたというか閉じ込められていた。
「誰かー誰かいませんかー」
当然誰もいる訳がない。
ここは最上階の端っこの誰も使わない空き教室なんだから。
しかたがない。他の窓も確認したが全て閉められていた。流石に五階から飛び降りたら死ぬので諦めた。
なのでドアを蹴って開けようと考えた。私もヤクザに入ったからには少しばかり力に自信があった。
んっと、蹴ろうとした。その時
ガッコーン、ドーン。
え?私蹴ったっけ?
「何?蹴り飛ばそーってか?
w。今開けたから出ていいよ。あーそういやドア壊したwえへ。」
は?ドアってそんな簡単に蹴り飛ばせるものだったの。
蹴ったことがないのでわからなかった。
「はやくー出てよ。」
強めに腕を掴まれた。
やば〜骨折しそう。
急いで筋肉を固めた。
すると驚いたような表情をしたが気のせいだったのかな。
「ありがとうございます。翔先輩。」
初めて名前を呼んだ。
これまたすごく驚いたような顔をして、次はしかめて、睨んで、微笑んで、にらめっこみたいで笑ってしまったw。
「ね、紗矢っていると思う?」
帰っていたら急にふってきた話題にちょっと驚く。
「いると思いますよ。
だって紗矢さんだから。」
「そっか。」
誰かを思い出すような今までで1番の優しい笑顔だった。